Dejima Auto Tuning blog

古い逆輸入車をいじっています。コテコテすぎてクルマ関連業者さんにゆだねることができず、道具も使うスキルも充実してきました。2015年にサーキットでクラッシュしてからまだ補修ちゅう(中断している状態)作業するガレージと自宅が離れており、自宅を離れることができない状況になり、インドアでできるクルマの内装→ミシンや革漉き機、という流れです。

バイクの車速センサ故障暫定修理からの恒久修理

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フォトインタラプタ

これをただ繋ぎ、スリットを通過する衝立板をローターに貼り付けたら正常にスピード表示された。これで車検はイケるが、なんせ防水性能がゼロ。
オープンコレクタのフォトインタラプタが無加工接続で作動するのなら、メーターの回路は汎用性が高く、クルマのECU買ったときについでに車速用のホールセンサ調達してたやつも使えるはず。本来はローンチコントロールとかに使う目的だったんだけどね。

で、一つだけ発掘されて、ECUと一緒に買ったことと、ググって出てきた寸法から一番ポピュラーなHONEYWELLの101タイプで、24Vまでイケるからこっちもだた繋げば動くな、と壊れたセンサの配線とつないで、径や突き出し寸法を調整するカラーをPOMで削り出して装着。

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最初作動しなくて径調整カラーがスチールマズいんじゃ?と外してもみたが、結局±を逆に接続した単純ミスでしたとさ。

 

汎用ホールセンサ(ただしガチの競技用ヘビーデューティー)で治るんだけど、普通のガレージだと探してでてくるものでもないし、買うと2万とかしますのでアプリリア純正スピードセンサと変わらないかと。

 

【更新June11, ’21】走行中にメーターが消えてストールするトラブルが生じました。原因をたどると、ヒューズ切れ、このスピードセンサーの線が後ろ気筒のエキパイで溶けてショートしていました。

うちのバイクはメータークラスタ無しのecuだけでエンジンだけは動くのでメーターのコネクタ外す手もあったのですが、夜間だと灯火が必要、スピードセンサーの線だけ外し、ヒューズ交換して帰宅しました。

翌日、線の腐った部分を切り落として繋いだら復帰しました。このとき、1000円しない社外のBMWクラセンをワニ口クリップでつないでみましたが、それ(直6VANOS以降バルブトロニック前)で使えそうでした。BMWのセンサは電源が5V、うちのバイクは9V以上なのでダメかと思いましたけど。寸法は全然違うので上の写真の白いカラーアダプター的造作はする必要はあります

バイクの車速センサ故障

ギリギリになるまで整備はしないことと無関係に期限迫ったこのタイミングで車速センサ故障。車検切れ決定。早めに車検通していれば故障は避けれなくても車検切れで走行できなくはならずに済んだんだけど。

 

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ほじくってみたが意味なかった

ラバーがちぎれていて被覆から露出してハンダ付けしているところから少々水浸みがあったようだ。マニュアルによると、3線つないだまま電圧計測すると9V以上と6V以上、6Vの組み合わせで鉄を近づけると0Vになるというテストをやった。センサの仕様が9V以上ってことなので、12Vやな、と13V出る電源につないでやってみたら、鉄近づけても磁石でも0Vにはならなかった。

これ買うのは外車パーツの調達性を考えると現実的でないので、流用んー、それより最近ミシンの針停止位置センサで使ったフォトインタラプタで作るか。後輪1回転あたり5パルス拾えば済むんで、遮る壁を5つ、ブレーキローターボルトの頭に接着するだけだし、あのフォトインタラプタは12Vで作動するからなんも追加回路要らんし。

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ミシンの針位置停止検出器に使ったフォトインタラプタ


フォトインタラプタ注文しました。

工業用ミシンと革漉き機はいじって楽しい、革でなにかを制作しなくても(2)革漉き機

ジャンク革漉き機の続きです。

 

構造を勉強、全バラ組みができる自信ができたなら数千円のを買ってレストアするのでイケると思います。稼働保証している中古漉き機の価格は高すぎるように感じますが、この記事の主題である「考える前に手ぇうごかす人たち」が買った場合の事後サポート対応料が含まれているのかなあと思います。質問攻勢、うっかり事故破損対応に付き合うと大変ですから。相場が高いのはそういう人たちが多いからという説明も可能です。

  • どうみてもジャンクだけど手当てすれば使える

当方はFortunaジャンク2機をどちらも3000円ヤフオクで。分解に必要な工具で特別用意したのはクルマ方面で出番がないピンレンチだけでした。当方日産のMTは分解したことあるが、オートバイのクランクケースの殻割はしたことがない程度のスキルです。主軸ベアリングや曲がり等は問題なく、他のベアリングには規格品が使われており、海中に何日も漬かっていたとかでない限り再生不能に陥らないと思います。実際うちの片方は出品画像でひっくり返された状態で深いところに水(雨?)が溜まっていました。使えるようになる機械には見えないと思いますが、錆は浅かったし、給脂部分はそれにより保護されていました。機械いじりする人なら部品点数も少ないのわかりますよね?

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水没


このFortunaの主軸周辺部品は他社がコピーしていないので買えませんが、そのぶん丈夫で2機とも不具合なし。他メーカーのジャンクでもし主軸曲がりがあったらaliexpress等で主軸部品探せるんじゃないかと思います。致命的に割れていた部品があり、接着補修で保たなければ旋盤で削って作るということで。

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ベアリングホルダー割れ接着修理

送りロールのブランコは折れて先端は消失していました。

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左のシャフトは切れて曲がっていて炭素鋼なのは明白だけど、曲げて普通に溶接で継いで研削した。加工した位置でなく先端に力がかかるので大丈夫。

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ニッケル溶加棒で溶接

失われていた部分はちょっと考えて鋳鉄でなくスチールで作りました。作業している場所に漉き機がなく、採寸と位置関係を頭にいれただけテキトーに作ってるから、再度切って溶接するハメになるかもなので。溶接してすぐにとがったハンマーで叩いて応力均して電気炉に入れ、手で触れる温度まで1時間かけて徐冷。鋳鉄の溶接ならではの手間。このあと何度か試したけど徐冷しなくても平気でした。棒状で小さいからかと。

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電気炉

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ビード削ってフックがかかるネジ造作した

ニッケル溶接棒のビードは削るときに火花が飛ばず(炭素がいない)、溶接うまくいった。補充したツマミ部の外径が大きすぎる以外は収まりも良好でした。

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革漉き機につけた

このブランコの補修に5時間かかりました。1万円くらいで純正パーツとして売ってればなあ……

  • メーカーによる機構・寸法の違いは結構あります

1機めはブランコが欠品していたので、中華部品をポン付けするときれいな漉きができない罠に陥りました。何か月か経ってから「これは軸位置が正しくない」と気づき、合わせる加工を数回にわたり行い、最近上記で補修したFortuna純正のブランコを入手し、自分で探り加工した中華部品の樽軸設置位置がドンピシャであったことが確認できました。



革漉き機のウレタンビア樽のラウンド形状修正と樽位置の工学的重要性

最終的には、アームを切って角度を変えて再溶接しました。そのままだとFortunaに使うのは不可能というのは間違いないです。

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中華ブランコを加工

 

  • 模倣から入り、理解を深めないまま製造しているメーカーはまともな操作マニュアルを作成できない

てなふうに工学的に観察しつつ不足パーツを補充、必要であれば加工して組めばできあがりますが、むしろ漉き機は使い方が問題で「考える前に手ぇうごかす人たち」は調整もテキトー、なかなかうまく漉くことができません。そうなる理由のひとつが、メーカーが自社で設計せずにどこぞのを真似して製造を始めて以来、機械の設計がなぜそうなっているのかはスルーしたまま50-60年作り続けており、機械としての完成度が低いのに操作マニュアルが雑だからです。下の動画のバネの調整のあんばいはFortuna以外のメーカーの説明書には書かれていません。イタリアの機械についてはマニュアルがあっても読めないので知りませんけど。


Skiving machine, how to adjust feed roller spring preload 革漉き機ビア樽前後傾きバネの使い方

中華Happyブランドの砥石はそのラベルが薄いステッカーですが、砥石は圧縮代があるもので挟まないとキチンと取付できないのは常識、みてくれだけ真似してる。Fortunaのラベルは厚手のちゃんとしたものです。また、Happy砥石の赤や青は砥粒の色でなく、結合剤に色を混ぜているだけ。でも値段なりに研げますが。


Fortuna skiver Happy grinding wheel bedding with gasket paper 革漉き機の安い砥石の活用法

さらに漉きカスがひっかかる送りロール軸受けの先端形状。Fortunaのはずいぶん前に先端が軸で終わる短いものに改良されています。真似したメーカーもせめて先端の角を落とせよ、半世紀も製造してんなら、って思うのは酷でしょうか。


Fortuna skiving machine with copy parts gets caught scrap 漉き機の漉きカス詰まり解消法1

  •  屑排出盤は音もミュートするが、ビビりを止めるためについている

丸刃の中にある円板は、消音と漉革カスが溜まらないためのもので、ないまま漉いたり刃を研ぐと共鳴してうるさいのは知ってると思いますが、無しで実験してみると、研ぎに時間を要するし、キレイに研げません。旋盤等の切削でビビっている(=振動)状態と同じです。


SKIVING MACHINE POSITIONING OF SILENCER DISC 革漉き機の消音盤の取り付け位置

このほかにも落とし穴がいろいろあるんですが、この記事はあとひとつで最後。「 主軸のブレ」と呼ばれるものには、軸の曲がりと、緩みがあります。曲がりが限度を超えて大きいと致命的ですが、緩んでいる場合は軸が踊り、刃を研ぐと逃げてうまいこと研げないし漉けません。緩んでいるからには締めて調整すればいいわけですが、「経験値の高いミシン屋」の受け持ち範囲とされています。裏をよう観察して「あ、そうか!」とひらめく人ならかんたんにできるはずです。

 

以上のような機械の特長を把握できるならジャンク起こし自体はさほど困難な作業ではないと思います。「いや、そんなんなら新品を買うし」という場合でも知っておいたほうがいいことばかり、知らないと革に穴開けたり主治医たるミシン屋さんに何度も調整を依頼することになると思います。

他のものだとギターやバイオリンに近いかも。最初からとりあえず音は出る、そこそこ弾けるようになって調律が自分でできない人は居ないですよね。フレットが摩耗してたりネック曲がったり、ピックアップ高さなどの不具合に気づいて自分でメンテできるか、楽器屋に持っていってやってもらうかはいろいろ。漉き機は重たいので来てもらうことになりますが。

工業用ミシンと革漉き機はいじって楽しい、革でなにかを制作しなくても(1)ミシン

 タイトルを違った側面から表現するなら、

工業用ミシン等の構造調整の情報を集めてバラシ組み立てができそうになく、かつ経験値の高いミシン屋とそれなりの対価を払って付き合う気が無いなら工業用ミシンや革漉き機を買うと持て余す、です。

後先考えずに動く人いますね。それでよくない結果になっても自分のせいでなく「運が悪かった」や、責任転嫁に躍起になる。極度に情報不足かつ緊急の状況ではそうせざるを得ないので、誰もが経験ある行動でもあるのだけど、考えるより動くほうが先という性向は機械を買うとき使うときにトラブルとして表面化します。

 

  • 入手は ミシン屋 or ネット どちら? 新品 or 中古、いやジャンク? 

最初に書くと、ダメな機械を買ってしまった場合の責任は買った側にも大ありです。逆の状況で安く買えた機械がよいものだったら「当たり!オレって天才」と自分の手柄にしちゃうのだから。

当方の機械は中古はヤフオク、中古が出回らないタイプのミシンはaliexpressの中華新品です。

田舎というか大手重工業が一つだけある企業城下町に住んでます。そこと関連が強くない経済活動は観光業を除いて貧弱で、このブログのカテゴリでいうと、クルマ✕、溶接消耗品ガス〇、ミシン✕となります。

溶接機は基本壊れませんけど、工業用ミシンや革漉き機は縫うプロと調整メンテするプロが明確に分かれており、扱う店がない土地では本来手にするべき道具ではありません。

web上で工業用ミシンの買い方「経験値の高いミシン屋で買いましょう」みたいな助言の対象から田舎者は除外されます。地方を知らないからしょうがないんでしょうけど、そういう革用ミシンや革漉き機を理解している業者さんが日本にいくつあるでしょう?大多数が東京と阪神に、数軒がそれ以外の都市圏にあるくらいかと。

工業用ミシン屋のつてがなく、それでも工業用ミシンが必要と思うなら自分で調整することになり、メンテ法のノウハウはweb上で拾うしかないです。

 

てなわけで、出品の良し悪し鑑別能力、メンテ調整スキルや技術を身につければ、ネットで中古、あるいはジャンクを買って「必ず失敗」ってことはないです。

  • 調整法・使用法を探す、避けたほうがよい中古機のタイプはあるか

ミシン屋のつても、知識と機械いじりのスキルもないなら、入手自体をあきらめるか、まず知識を習得して自分に可能なことなのか見極めが必要です。web上にあるのは、かいつまんだ説明ばかりで本気の調整解説は探し出すのが大変です。英語が読めたほうが探索範囲がぐっと広がります。なんならドイツ語も。

こちらは掲示板形式ですが、45k氏がズバリと解を導いてくれます。ですが、すぐ「教えてクレクレ」はやめましょう。その前に過去ログを掘り起こしましょう。全部読んでもいいくらいです。

上のはteacup掲示板のサービス終了により過去ログも含めきれいさっぱり無くなりました。代替は↓。

そして、

英語ですが、アメリカのレザークラフト趣味も仕事人も居るフォーラムの革ミシンセクションです。メンバー登録(広告で運営しているので無料です)しないと画像等が見れないと思います。ミシン台製作、ミシン全バラレストアなどの記事も多いです。CONSEWとかなじみがないメーカーがいっぱいありますが、セイコー製色違いだったりしますので最初のうちはミシンの画像で判断するとよいです。日本のようににセイコーTE系をありがたがることはないようですけど。となりのセクションに"LEATHER MACHINERY"ってのがあり、革漉き機やクリッカープレスなど革関連機械の情報交換がされています。

ミシンやサーボモーターのマニュアル等は機種名をググって画像のほうでコピーで作成されたpdfファイルの表紙をみつけるのが速いです。

書籍ではそのものズバリのタイトルのムック形態のが最近出版されております。パラパラとめくって「この程度の情報ぜんぜん要らん」と棚に戻しました。TE腕ミシンとニッピ皮漉機だけ持ってる、あるいは買うつもりであれば別ですけど。

総合送りミシンの針落ちや深さ、送りタイミング調整はクルマのカムタイミングより調整箇所が多く、割と込み入った作業です。うちのミシンは全部総合送りで脳メモリいっぱいいっぱい、上下送りはありません。

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忘れるので調整法をテープに書いて貼っています。

総合送りミシンの中古はだいたい返し縫いピッチが合わないことが多く、当初は「どこのミシン屋もヒドイな…」と思っていましたが、総合送りミシンの標準的な機械はもともと縫いピッチがあまり大きくないので、バランスを前進の縫いピッチに全振りして返し縫いはしない、という縫製者との約束で確信犯的調整をミシン屋がやった結果なんじゃないかと今は考えています。3機中古がありますが、ひどかったのはカマの周りに糸が絡みまくった状態で入手したやつ。どうにもタイミングが完調にならない→上下軸のタイミングベルトプーリーが、歯山一つズレていた組付けミスです。

動画で総合送りミシン調整してるのでいいなと思った当方のプレイリスト2本ですが、

www.youtube.com

2時間近いほうは基本的な調整すべて網羅しています。ただし、説明している人も調整を最適化しきれていません。 プレイリストのもう一つの動画の発信者

Uwe Grosse - YouTube

は他の動画でもすべて口述無し無駄なく見やすい撮影にて説明しています。

 

総合送りミシンは革など割と高価な素材を失敗なく縫う頻度が高い場合、さほど速度を上げないからガタがきにくいですが、例外としてバインダー機はラッパが下送りに接続して動くため慣性力も大きいのにベタ踏みしますから、あちこちガタが来てる個体が多く、似たようなラッパ付きと無しで迷ったら無しを選びましょう。本体の機構がへたっていたらバインダー部品がついてきても全然得じゃないですよ。摩耗しやすいパーツのうちカマはもともと消耗品、他では中外交互押えリンクと上下動ガイドブッシュに集中していますが、ドイツ製工業用ミシンだと交換パーツ買えないです高くて。

出回っている国産中古総合送りミシンは保守期間切れで純正部品は注文できないことが多く、パーツリストすらもう存在しないってこともありますが、元祖SINGER機をマネして製造された互換機の部品でほぼ代替できます。JUKIのオンラインパーツリストは登録してみることができたほうが便利です。昔のミシンと共通部品が残っている現行型はもうほとんどないですけど。中国語圏ならGolden Wheel(金輪社)の英語パーツリストとマニュアルがギリ実用になるかな程度です。同タイプのミシンが金輪製しかみつからない場合とかもありますので。

それからポンプ給油で押さえや返し縫いなどが電磁ソレノイドやエアーで動くコテコテの自動機で30年ものジャンクはまずユーザーの手に負えません。ミシン屋もよほど経験がないと直せないかと。それより古い機械のほうが故障個所も少なくメンテもユーザーフレンドリー。

  • 新品中華工業用ミシンの品質 

2機だけの経験談普通に縫えますが、半完成品です。

現地で組んでいる人はマニュアル通り作業をこなし、普通に縫えることを確認して出荷するが、仕組みの深い理解はないまま組み立てているってことかなと考えています。カマや針落ちタイミングは問題ありません。セットアップと試し縫いはしているようですが試し縫い条件はひとつだけ。

国産新品工業用ミシンでも、テーブルとモーターと合体させるのはメーカーではなくミシン屋です。エンドユーザーがそのまま使える状態で工場から出荷されないものです。

中華1機はごつくて乱暴な機械、潤滑などの構造が単純なので、不具合は上軸のセットカラー留め位置が間違っててスラスト方向に動いていたのと、厚いものを縫う際に面板内で動く押さえバランスリンクの位置が上昇した状態で面板裏の干渉を避ける切削が不足しておりガチ当たりしてうまく縫えないという2点でした。フライス盤で面板裏を追加工し、その他本家(コピー元)ミシンと比べるとどうにも作りが雑な下糸巻き装置や、素材が樹脂に置き換わってしまってる返し縫いレバー当て板等を交換しました。


441 sewing machine chattering sound ビビり音

もう一機は綿ロープやビニルチューブがあちこちに這っていて、下から上にポンプでくみ上げたのち綿ロープを伝って潤滑するタイプのミシンでしたが、まずポンプのローターが入っていないのでそんなチューブがついていてもくみ上げません。上のリザーバーに注油することにし、綿ロープを通したチューブの取り回しをすべてやり直しました。縫い糸がささくれるので糸道をたどり角のとがりをすべて落として研磨しました。

 

というような品質の中華の工業用ミシンは作るだけで、機能維持に必要なメンテサポートが貧弱だからごく一部たとえばHIGHTEXなどを除き広まることはないだろうと言われているようです。そこで、そういういわば半完成品を仕入れて調整や加工を加え、自分とこのブランドタグをつけたいわばOEMとして展開しているところが結構あります、メンテやサポート体制を用意してもらえるのであればよい経済活動だと思います。

  • ジャンク革漉き機はダメ?

当方はジャンクしか入手したことがないので、ダメではないと断言できます。長くなるのでこの続きは別記事にします。

 

AEMがEVコントロールユニットを開発

内燃機から電動、事業移行できるんだな。電動は単純でつまらないっていわれているが、温度コントロール、残量マネージメントなどやること盛りだくさん。

AEMは割と昔からあるECU屋。Palatovは数年前からパイプスピークヒルクライムも走ってるコンストラクターで、昨年からEV。「ああ新参やね」とかもうぜんぜん通用しない地力を最初から新参が持っているのが最近の動向。CAD/CAM方面の開発ツール、加工機械によるワンオフ製作の敷居が下がったせいと思います。

日本から古いシャーシのEVでパイクスピークに参戦?まじ?って思うんですが、恥かかないとわからないことたくさんあるかも。

ヒートプレスに真ちゅう刻印をボンディングテープで貼って使ってみた

  • 刻印の取り付け方

ヒートブロックへの刻印の取り付けは貼るか、M5のねじを貫通させて取り付けるかなんだけど、スリーエムボンディングテープをヤフオク切り売り1メートル買って試してみた。ひと巻き2万とかはどんなにそれを気に入っても刻印する頻度的に使いきれんと思ったし、気に入るかもわからないし。

これまでは小さく映っているシリコンペースト、ヒートシンク取付用を使っていたが、革に押し付けたあと革側に刻印がついたままになりやすかった。

  • 3Mボンディングテープ

この両面テープで貼るとそんなことはなくなった。って主題のボンディングテープを映していませんが、剥離紙と50ミクロンの厚くて柔らかいフィルムです。フィルムは加熱すると粘着性が出るので、うまい位置に置いてからヒートプレスを押し下げるとくっつきます。

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刻印
  • ちょっと焼き色が入る200度で刻印

高温で温度200度、2秒くらいぐいーっと。ちょっとだけ焼き色がついたかと。朱色のはグローブレザー というと誤用されている歴が長いが、それでなく、野球グラブレザー、クロム鞣しです。だいぶん前にかなりくっきり入った刻印(上側)は薄くなった感じがあります。茶のほうはオイルヌメで焼き色が出やすいです。

  • ちょびっとだけで貼る?全面に貼る?後は剥がしやすい?

テープといっても基材となる紙や布やプラフィルムのないまるごと粘着剤でできているフィルムです。一部分だけ押し付けて貼って200度で15分置いて(忘れてた)たら、密着せずに傾斜してぶら下がり気味になったので、一部だけ貼るのはイマイチやね。ヒーター電源落として数分以内に皮すき(革包丁形状だけど、雑なスクレイパーとして安く売ってるやつ)でこじって擦ったらカスも取れますね、けどイマイチ。作業が美しくないというかゴミが出る。別のアルミ板に皿ネジ頭が沈む穴を設けてネジで刻印を取付け、そのアルミ板ごとヒートブロックにクリップやパッチンなど耐熱性のある固定具で留めるのがベターだな、という結論です。

総合送りハイポストミシン

総合送りハイポストが必要になる縫製で代表的なのはLL Beanのボートアンドトートです。当方も革トートバッグを一つ縫いました。ハイポストミシンが無くても縫えそうですけど。

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ハイポストミシン傾斜搭載


ハイポストミシンのセットアップ

 

斜めにしたり、テーブルを低くしたり、かなり変わっていますが、構造自体は水平釜総合送りのジャンルです。
こんだけあるならなんでも縫えます、ってことはなく、例えばゴルフバッグの仕様によっては底まで入る長腕ミシンが必要です。