Dejima Auto Tuning blog

古い逆輸入車をいじっています。コテコテすぎてクルマ関連業者さんにゆだねることができず、道具も使うスキルも充実してきました。2015年にサーキットでクラッシュしてからまだ補修ちゅう(中断している状態)作業するガレージと自宅が離れており、自宅を離れることができない状況になり、インドアでできるクルマの内装→ミシンや革漉き機、という流れです。

「気持ちだけは負けない」ものづくりなんてダメに決まってる

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これは初代フェアレディZのノーマルノーズ用オプションパーツのライトカバーです。

当初レース用として販売されたものですが、ノーマルノーズS30レース仕様は432の頃だけしか存在してなくその後Gノーズが純正状態でカバーが付いていてレースにもそのまま使われたためそっちが一般によく知られています。

「もしかしてこのライトカバーの歩留まりが悪すぎてGノーズを開発したんのでは?」と思うくらい作るのが大変です。こんな枠作るのにどんだけコストかけて作ってたのかよ…まあ当時の価格は大卒給料ひと月分とかだったのかも。

ブルーは保護フィルムで、カバー自体はアメリカ製のリプロ品です。日本のリプロとは次元が違うデキの良さです。作り手1つずつの比較だから国力の差とまではいいませんけど、日本製はすべての点で完敗しています。

カバーは樹脂なので、気持ち、設備、スキルなどがそろえばいいものが作れます。

枠についてはそうはいきませんで、スチール製のリプロの製造に成功した人はアメリカにも居ません。かの地のS30コミュニティでは何人もの作り手から何度も踊らされてきたので「またライトカバートリム作るよ詐欺かよ」くらいにしか受け止められていません。作り手側もだますつもりは当初はなく、実際手がけてみると激ムズなことに気づいてSNSアカウント放置して逃げたんだと思う。

画像の枠は当時もの中古で、これをもとにうちの工作機械を駆使して試作しました。詳しくは左メニューのFacebookとかNOTEを読んでください。

 

タイトルについては、気持ちを強く持っていたら必ずよい成果が生まれる、なんて保証はないってことで。そういうテーマのドラマが乱造されていますがみてられないです(みていません)。

ドライサンプポンプ増設と2020年9月の現況

クルマ5年前にサーキットでクラッシュして、まだ復活していません。

自分のガレージになんとか搬入したまま一度も動いていない、つまり自分が手を動かすかどうかにかかってるので。

 

割と早く終わったのは、シャーシゆがみ除去、エンジン、足回り。エンジンはオイル無しで200メートルくらい動かした。まあサーキットのコースわきからは速やかに退避したほうがよいs、ガレージ搬入には積載車降ろしてから自走はしょうがないわけ。

ボンネット下はほとんど全部別のものに変わってしまいました。

ポンプステージが増設できたのは、今思うとRB26から25でブロックについてるオイルリターンのパイプ位置が違い、オイルポンプの邪魔にならなくなったからだった。YouTubeの中では違う説明してたけど。↓スライドショー、静止画のみです。


ドライサンプポンプステージ増設と配管1

 

ドライブプーリーとカップリングファン、オイルホースの取り回し、純正ウェットサンプオイル経路ふさぎとか。

ドライサンプはエアホースの取り回しもあるんです。インマニにクーラント回ってるのでエア抜きホースつけたり、スロットルポジションセンサつくよう加工したり。

 


ドライサンプポンプステージ増設と配管2

 

2016年12月末にエンジン始動まで、このあと外装の塗装が半分終わり、長い中断。

もっとも最近の作業は2020年3月末、左のヘッドライトカウルあたりをやりかけ。

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ライトカウル

 

所ジョージ氏発案のレザーハンドバッグ、モチーフはガソリンタンク


【世田谷ベース】オートバイに夢中な所さんがオーダーしたレザーバッグ

 

ジョークプロダクツで色合いもビビッドでおもちゃ感なのだけど、仕立ても素材も一流。

 

所さんのことは嫌いではないが、こだわる方向があさってな感じがするので、活動をフォローしていません。

AEMがEVコントロールユニットを開発

内燃機から電動、事業移行できるんだな。電動は単純でつまらないっていわれているが、温度コントロール、残量マネージメントなどやること盛りだくさん。

AEMは割と昔からあるECU屋。Palatovは数年前からパイプスピークヒルクライムも走ってるコンストラクターで、昨年からEV。「ああ新参やね」とかもうぜんぜん通用しない地力を最初から新参が持っているのが最近の動向。CAD/CAM方面の開発ツール、加工機械によるワンオフ製作の敷居が下がったせいと思います。

日本から古いシャーシのEVでパイクスピークに参戦?まじ?って思うんですが、恥かかないとわからないことたくさんあるかも。

鉄板延びたところへのお灸はトーチと濡れタオルだがシュリンカーで縮める

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拡幅フェンダー

幅を5cm広げる加工途中のフロントフェンダー。黒マッキーで印付けてるところが出っ張っている=鉄板が余っていて強く押すとベコベコする。こうなるとエアプレニッシングハンマーでは均せない。

鉄板余ってる場所に熱入れて急冷して縮めるってのをしないといけないんだけど、フトコロの深いシュリンカーでできるよ、というネタ。

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鉄板縁から遠いとこを縮める

すぐベコベコしなくなり、シュリンカーでちゃんと縮めることができました。強めにペダル踏みました。

電動ビードローラーと自分で削るダイセット

ビードローラーはずいぶん前から電動にしています。とても便利です。低速トルクがあり調速、逆転できるモーターは選択肢が狭いものです。

 

ダイセットは卓上旋盤を導入してから1年くらいたつので、自分で作ってみることにしました。

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チッピングダイ

上のダイの左側がフラットなので、板を起こしていき90度まで曲げることが可能です。同様の既製品(手造りっぽいもの)を使ってましたが、テーパーが左にあって90度まで起こすことができなかったので、自分で作ってみました。左から締めてるボルトは薄平タイプで完全に沈みます。材料はS45Cの焼き入れ高温焼き戻ししています。作って使ってみるといろいろうまいセットアップ法など発見がありました。

 

フックにダイを並べています。ウレタンダイも便利です。旋盤で削るのはキレイにできませんが。一番上にあるワッシャーは1mmシムで、上下ダイの位置合わせに使用しています。すぐ手が届きセットアップが楽。ライトグレーの箱はモーターコントローラーとAC/DC電源が入っています。

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ダイ置き場

プリウスだかのパワステモーター、チェーン駆動です。カバーがありませんが、反対側で作業することないので危険なことはないようです。

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ビードローラーモーター

次は焼き入れ焼き戻しに使った電気炉を紹介します。

エアプレニッシングハンマーを製作

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エアプレニッシングハンマー

こういうものです。一つ前の記事でシュリンカーで凸にした板のガタガタを均しています。ボール盤に取付けてるのはガッチリかつ位置調整が容易なのと、専用にスタンドを作るより近道で、場所が節約できるのも。

 

ハンマーは実際のとこ、エアチゼル、割と力がなくてごく安いやつ。チゼルのビットは使用せず、フラットラウンドビットを別途購入、ハンマーのレバーではオンオフせず、フットペダル経由でエアーを供給。このほかエアーホース8ミリやフィッティング、カプラなども調達。

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エアチゼルとラウンドビット、エアペダル

ロアーアンビルのRは均したい鉄板のRに近いものを使用します。旋盤で削ったけど、いまんとこ3つだけ。ベースも含め、S45Cのφ32棒です。

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ロアーアンビルとベース

ベースを造作しボール盤に固定できるよう。

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ロアーアンビルベース固定

ハンマーの固定はφ48のセットカラーとt=5の鉄板、35mm角パイプt=3.2を溶接タップでM12ボルトにてボール盤テーブル上から固定。丸テーブルは旋回できるので、ロアーアンビルの交換もすぐできます。

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エアハンマー固定

溶接ビード削ったあとの均しも可能です。両手で持てるサイズであれば。撃つとこは両面に556など割と早く揮発してしまうような潤滑油をつけてやり、エアー圧は低めギリギリあたりを基本に使います。うちのエアーコンプレッサーは100Vの1000w、38Lですが、エアー消費は少なく永遠に継続できます。聴力保護イヤーマフ必須です。騒音に制限のある作業場ではつらいでしょう。工具では一番大きい音出すグループに入る。

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フェンダー溶接後の均し

逆にクルマから取れない部分でも、エアプレニッシングハンマーとロアーダイをC字型のフレームに付けて、手持ちで均すことも可能です、両面から攻めることができる場所に限りますが。

 

フトコロの深いシュリンカーストレッチャーみたいに作るの手間じゃないし、使う材料も廉価な割に作業効率を上げてくれるよい道具です。