Dejima Auto Tuning blog

古い逆輸入車をいじっています。コテコテすぎてクルマ関連業者さんにゆだねることができず、道具も使うスキルも充実してきました。2015年にサーキットでクラッシュしてからまだ補修ちゅう(中断している状態)作業するガレージと自宅が離れており、自宅を離れることができない状況になり、インドアでできるクルマの内装→ミシンや革漉き機、という流れです。

革漉き機 TK802BK TAKINGお値打ち(2020年現在)品薄です

新しい革漉き機を買ってテストしました。

動画はPCでは←左メニューDejima AUTO Tuningfacebookにあります。動画の主役は漉きカスですので機械左から撮影しておりどこに溜まって引っかかるのかよくわかりますよ。

 

いまごろステイホームで時間余ってるのでどんなものか確認。コロナ禍は関係ありません。

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TK802BK

TAKINGの漉き機は旧型801の末期に主軸ボールベアリング化し、802になってからはビア樽もボールベアリング入りになり、うちのFortunaとスペック同等、うちのはビア樽が社外加工のオイルレスブッシュなとこは負けてるな、というわけで。

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主軸アンギュラボールベアリング

しっかりアンギュラボールベアリングが入っていました。内筒はFortunaより太いしいいですね。ただ、与圧調整する構造になっていません(下のフランジナット)。

内筒下のほうの溝は、左にちょっと写っている外筒をウォームギアで回した時に前後(画像では上下方向)にスライドするガイド溝です。これとFortuna以外の漉き機ではピッチが5ミリとかの台形ネジですので、スパイラル溝タイプの10倍多くまわす必要があります。しかしここもFortunaを真似するとはおもってませんでした。

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内筒スパイラル溝

ビア樽のベアリング+シャフトは精密に加工されていてガタはベアリング自体のそれだけ。かなり良いです、というより最高です。リンク棒がベアリング入れたせいで片端が太い専用になります。

 

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ベアリング入りビア樽

一方でなんやこれ?だったのがビア樽にからむ漉きクズを剥がす板。右のFortuna形状は自作ですが、ビア樽に沿うよう斜めにバネで押し付けてますが、左の802のは平たくビア樽に乗っかってるだけです。

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漉きクズすくい板

短くし、ビア樽形状に沿うようトリミングちゅう。画像と違い、革板は黒い金具のこちら側に付けたほうが角度がよいです。

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延々漉きテストしつつ、漉きクズの流れを撮りました。そこそこいいです。出荷状態ではダメダメでももっと詰めればFortunaより良くなる可能性あり。↓ずいぶん後に使っているとき食いこんで樽の頂点を超えてこちらに突っ込んでしまいその後は石砥石でもウレタンでもワイパー先端が食って使えなくなりました。こまりものですが、革ワイパーを黒板の向こう側から留めると軽減されます。

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噂通りです。TAKINGのTK802BKは安くてよい機械だと思います。写してませんが、キャスター付き台、サーボモーター等全部セットです。別配送で届いた本体を台にセットしてベルトをかけたら刃は届いたそのまま研がずに漉けました。他にやることは上の漉きカス取りの仕上げと、クズ受けバケツ、それから押さえの角丸め+ニトフロンテープ貼りくらいです。

 

【追記】丸刃を交換したら精度よく付きません。原因は主軸フランジが平面でなくごくわずか凸になっているのに対し、新品の丸刃フランジ裏面は平面が出ているので、ネジを締めると丸刃全体が薄いから歪むためと思います。TAKING製丸刃のフランジ裏面はそれに合わせるかのように凹になっていました。そんなわけで他社の丸刃を付けると振れが出やすいと思います。丸刃交換時期に差し掛かってきたら同じことを言う人が出てくるんじゃないでしょうか。訂正です。丸刃の中心穴の角が主軸フランジのボスの根本に当たるか当たらないかの差です。TAKING純正は面取りされているのに対し、ニッピ丸刃は角が立っているので付ける前にやすって落としましょう。そうしたら機械加工の仕上げにバラつきが無いとは言えない中華圏の漉き機につけても落ち付くはず。ニッピ公式としては「うちの刃を中華漉き機に付けるな」と怒ると聞きました。

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【さらに追記】こちらは些細な問題ではないです。押さえガイドロッドのがたつきがFortunaより大きいです。幅の広い押さえを調整して固定しているつもりが、手前⇔奥方向に0.2ミリ動きます。押さえは丸刃に沿って上から革を押えており、もし手前奥方向に動くと厚さが変化します。ベタ漉きに使いたい人は他の機械を買いましょう…いや、がたつき量を確認した機械はこれとFortunaだけですので「他の機械」の保証はできず、Fortunaにしましょうとしか言えない。せっかくの主軸アンギュラベアリングや送り軸ベアリング導入の努力がもったいないという結果に。


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極端な漉き3→1ミリの動画です。その後1ミリ→0.8ミリのマイルドな漉きでも確認してみました。移動量は少なくなるけどよく動きます。常にダイヤルゲージを当てダイヤルゲージから目を離さず、かつ0.1ミリずつ漉けばそれなりのベタ漉きできる…押さえは30ミリ幅とかをお勧めします。でもこの機械でベタ漉きしないのが賢人。Fortunaは2台で計測、TAKINGは1台しかチェックしていませんので製造バラつきでうちに届いたTK-802だけ残念なのかもしれません。

 

外しました。TAKINGの径が5/100ミリ細いです。FortunaのをTAKINGに装着してもFortunaまんまのがたつきの少なさには到達できませんが、いちおう試してみましょうか。

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