デカいからというより、20mm厚くらい縫えるようにしているので、針が当然長く、通常の工業用ミシンが受け持つ範囲の縫い物はできないです。針が細いと長い分しなって折れやすいし、ミシンってのはひと針進めるたびに針であけた穴と針先端の穴を糸がこすれながら往復するんですが、このデカミシンではその距離もまあ平均的な総合送りミシンの2倍ほどあり、糸は太く丈夫でないと縫ってるときにもう擦り切れたりとか。
本来は体育マットとか恒久的に張るテントなどを縫うミシンで、革用に転用したのは乗馬サドルを縫うアメリカにて。今はジューキのミシンでなく中国製コピーで販売されています。オレは日本人なのでジューキを買うべきか?とちょっと思ったんですが、革用の交換パーツはジューキでは売っていないし、コピーを買いました。
革押えの調達は難航しました。パテント申請されていた部品ですが、会社がなくなり、パテント料も払わないわけですでに切れてます。
入手した一部です。右上2つがジューキ441純正形状の布用押えです。
この後、シート外皮のエクセーヌの飾りステッチ縫うのに1番糸(かなり太目)で飾りステッチしたんですが、ティッシュペーパー縫ってるような手ごたえのなさでした。
その後革を縫うことがまったくなく、このミシンを使うのだけを目的に18ミリ厚の積層革を縫ってみようと準備していたら、ビビり音がするんです。
441 sewing machine chattering sound ビビり音
音がしている場所の不具合ではなく、全然違う箇所での切削不足が原因でした。
441 clone sewing machine shows its true ability コピー441ミシン 革押さえで18ミリを縫う
その後、問題が起こった箇所についてはただのブッシュでなくニードルベアリングを入れてようやく開発終了した、とジューキ441の前身のヤクモ441開発に携わった人に体験談を聞き、寸法の一致する汎用ベアリングをつけました。
441 clone Guide roller upgrade, no more scattering sound コピー441ミシン、交互押さえガイドローラーをベアリングに交換
ミシンがデカいため、中華サーボモーターでは1/4減速中間プーリーをかまさないと安全に縫えません。中華サーボはアパレル(服縫製)向けで低速性能はなく、革用にはまったく向いていません。その後、厚物用サーボの代表である三菱リミサーボをいくつも入手したので針位置検出器も合わせ装着しました。
三菱リミサーボモーター操作盤スイッチ修理、ミシン針位置検出器自作、サイビノールで錆取り✕
中華サーボは減速比が1/4になると針位置停止が働かなくなりますが、三菱リミサーボはそういうこともなく、中華サーボ付属検出器の中身をごっそり入れ替えたやつで作動。けれど、三菱リミサーボをいまどきのミシンに付けると検出器などは余ってしまうらしく、未使用4000円でヤフオクに出品されています。
減速プーリーはいったん無しにしていましたが、ごく低速のときのトルクに不安があったので、減速しました。
ほぼセットアップ終了なんですが、あと一つ作業が残っていて、設定間違いで自動で縫い進められると危ないくらい強力なため、電源スイッチのほか、緊急停止スイッチを手元につけます。スイッチは確保しています。
このミシンで縫うようなゴツイものがないほうが障壁ですけどね。