Dejima Auto Tuning blog

古い逆輸入車をいじっています。コテコテすぎてクルマ関連業者さんにゆだねることができず、道具も使うスキルも充実してきました。2015年にサーキットでクラッシュしてからまだ補修ちゅう(中断している状態)作業するガレージと自宅が離れており、自宅を離れることができない状況になり、インドアでできるクルマの内装→ミシンや革漉き機、という流れです。

所ジョージ氏発案のレザーハンドバッグ、モチーフはガソリンタンク


【世田谷ベース】オートバイに夢中な所さんがオーダーしたレザーバッグ

 

ジョークプロダクツで色合いもビビッドでおもちゃ感なのだけど、仕立ても素材も一流。

 

所さんのことは嫌いではないが、こだわる方向があさってな感じがするので、活動をフォローしていません。

AEMがEVコントロールユニットを開発

内燃機から電動、事業移行できるんだな。電動は単純でつまらないっていわれているが、温度コントロール、残量マネージメントなどやること盛りだくさん。

AEMは割と昔からあるECU屋。Palatovは数年前からパイプスピークヒルクライムも走ってるコンストラクターで、昨年からEV。「ああ新参やね」とかもうぜんぜん通用しない地力を最初から新参が持っているのが最近の動向。CAD/CAM方面の開発ツール、加工機械によるワンオフ製作の敷居が下がったせいと思います。

日本から古いシャーシのEVでパイクスピークに参戦?まじ?って思うんですが、恥かかないとわからないことたくさんあるかも。

鉄板延びたところへのお灸はトーチと濡れタオルだがシュリンカーで縮める

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拡幅フェンダー

幅を5cm広げる加工途中のフロントフェンダー。黒マッキーで印付けてるところが出っ張っている=鉄板が余っていて強く押すとベコベコする。こうなるとエアプレニッシングハンマーでは均せない。

鉄板余ってる場所に熱入れて急冷して縮めるってのをしないといけないんだけど、フトコロの深いシュリンカーでできるよ、というネタ。

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鉄板縁から遠いとこを縮める

すぐベコベコしなくなり、シュリンカーでちゃんと縮めることができました。強めにペダル踏みました。

電動ビードローラーと自分で削るダイセット

ビードローラーはずいぶん前から電動にしています。とても便利です。低速トルクがあり調速、逆転できるモーターは選択肢が狭いものです。

 

ダイセットは卓上旋盤を導入してから1年くらいたつので、自分で作ってみることにしました。

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チッピングダイ

上のダイの左側がフラットなので、板を起こしていき90度まで曲げることが可能です。同様の既製品(手造りっぽいもの)を使ってましたが、テーパーが左にあって90度まで起こすことができなかったので、自分で作ってみました。左から締めてるボルトは薄平タイプで完全に沈みます。材料はS45Cの焼き入れ高温焼き戻ししています。作って使ってみるといろいろうまいセットアップ法など発見がありました。

 

フックにダイを並べています。ウレタンダイも便利です。旋盤で削るのはキレイにできませんが。一番上にあるワッシャーは1mmシムで、上下ダイの位置合わせに使用しています。すぐ手が届きセットアップが楽。ライトグレーの箱はモーターコントローラーとAC/DC電源が入っています。

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ダイ置き場

プリウスだかのパワステモーター、チェーン駆動です。カバーがありませんが、反対側で作業することないので危険なことはないようです。

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ビードローラーモーター

次は焼き入れ焼き戻しに使った電気炉を紹介します。

エアプレニッシングハンマーを製作

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エアプレニッシングハンマー

こういうものです。一つ前の記事でシュリンカーで凸にした板のガタガタを均しています。ボール盤に取付けてるのはガッチリかつ位置調整が容易なのと、専用にスタンドを作るより近道で、場所が節約できるのも。

 

ハンマーは実際のとこ、エアチゼル、割と力がなくてごく安いやつ。チゼルのビットは使用せず、フラットラウンドビットを別途購入、ハンマーのレバーではオンオフせず、フットペダル経由でエアーを供給。このほかエアーホース8ミリやフィッティング、カプラなども調達。

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エアチゼルとラウンドビット、エアペダル

ロアーアンビルのRは均したい鉄板のRに近いものを使用します。旋盤で削ったけど、いまんとこ3つだけ。ベースも含め、S45Cのφ32棒です。

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ロアーアンビルとベース

ベースを造作しボール盤に固定できるよう。

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ロアーアンビルベース固定

ハンマーの固定はφ48のセットカラーとt=5の鉄板、35mm角パイプt=3.2を溶接タップでM12ボルトにてボール盤テーブル上から固定。丸テーブルは旋回できるので、ロアーアンビルの交換もすぐできます。

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エアハンマー固定

溶接ビード削ったあとの均しも可能です。両手で持てるサイズであれば。撃つとこは両面に556など割と早く揮発してしまうような潤滑油をつけてやり、エアー圧は低めギリギリあたりを基本に使います。うちのエアーコンプレッサーは100Vの1000w、38Lですが、エアー消費は少なく永遠に継続できます。聴力保護イヤーマフ必須です。騒音に制限のある作業場ではつらいでしょう。工具では一番大きい音出すグループに入る。

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フェンダー溶接後の均し

逆にクルマから取れない部分でも、エアプレニッシングハンマーとロアーダイをC字型のフレームに付けて、手持ちで均すことも可能です、両面から攻めることができる場所に限りますが。

 

フトコロの深いシュリンカーストレッチャーみたいに作るの手間じゃないし、使う材料も廉価な割に作業効率を上げてくれるよい道具です。

フトコロが深いシュリンカーストレッチャーをハーフスクラッチビルド

板金の道具。縮めるのはこの道具がないと難しい。日本で流通しているのは板の縁から2.5cmしか入らないので、できることに制限がある。

 

ダイセットだけカナダの工具屋から入手し、それ以外を推定で作った。10日費やした。

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シュリンカーストレッチャー

スタンド部分は奥行きが無い前のシュリンカーストレッチャーと入替えでキャリーオーバー。

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シュリンカーストレッチャー

シュリンカーダイとストレッチャーダイの交換は六角レンチですぐできる。

ヘリから遠くまで加工できるので凸面がかんたんに作れます。

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シュリンカー

 

このままだとガタガタなので、エアープレニッシングハンマーで均します。次の記事で製作過程を紹介します。