Dejima Auto Tuning blog

古い逆輸入車をいじっています。コテコテすぎてクルマ関連業者さんにゆだねることができず、道具も使うスキルも充実してきました。2015年にサーキットでクラッシュしてからまだ補修ちゅう(中断している状態)作業するガレージと自宅が離れており、自宅を離れることができない状況になり、インドアでできるクルマの内装→ミシンや革漉き機、という流れです。

フォトレジストドライフィルムを使ってみる

基板をつくるのではなく、金属プレートをエッチングした銘板作りができないか、という。

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両面に貼りました。印記されているのは過去にやったエッチングで、流しの横に放置してどのくらい侵されるのか見たもので、裏でテストしてみました。

裏側から光をあててみたところ

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青くなります。裏のテストは時間が長すぎたのか、マスクした黒インク部分も青くなって弱アルカリで剥がれてこず失敗です(お見せできません)

次に紫外線を当てるまえの生フィルムをスキャンカットで切ってみましたがダメでした。柔らかいのとナイフではそこまで細かいカットはできない。

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新しいフィルムを熱で貼り付ける。95℃。

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失敗です、ヒートプレートとの間に挟まってたのはボンディングテープ。

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真鍮刻印を貼るのに使ったのが取り切れてませんでした。

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貼りなおす前にUV照射条件を決めてみる。

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左の濃いほうから20、15、10、5秒、残りは未照射。白いところはフィルム貼りに使った水でふやけが残ってます。5時間くらい放置すれば消えますがテストなので。

光源はLEDで光量は均一ではありません。USB電源で、割と強力、裸眼で1分とか作業すると目がしょぼりますが、トランスイルミネーターほどヤバくはありません。

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同じ波長のLEDテープも買っていますが、上のでイケると思います。

保護フィルムを剥がしただけで露光していないところは保護フィルムにくっついて剥けます。

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セスキ炭酸ソーダ溶液に漬けると2分程度で残りもきれいさっぱり取れます。

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ヒートするときに凹んでいたとこはアウトですが、照射5秒でいいみたいですね。

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エッチングはこのテストでは行わず、最後にレジストを剥がすのにアセトン○

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強めのアルカリだと真ちゅう面もダメになるのでアセトンはお勧めです。

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このあとサンドペーパーでキレイにしてからまたフィルムを貼り、次のテストをします。

「気持ちだけは負けない」ものづくりなんてダメに決まってる

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これは初代フェアレディZのノーマルノーズ用オプションパーツのライトカバーです。

当初レース用として販売されたものですが、ノーマルノーズS30レース仕様は432の頃だけしか存在してなくその後Gノーズが純正状態でカバーが付いていてレースにもそのまま使われたためそっちが一般によく知られています。

「もしかしてこのライトカバーの歩留まりが悪すぎてGノーズを開発したんのでは?」と思うくらい作るのが大変です。こんな枠作るのにどんだけコストかけて作ってたのかよ…まあ当時の価格は大卒給料ひと月分とかだったのかも。

ブルーは保護フィルムで、カバー自体はアメリカ製のリプロ品です。日本のリプロとは次元が違うデキの良さです。作り手1つずつの比較だから国力の差とまではいいませんけど、日本製はすべての点で完敗しています。

カバーは樹脂なので、気持ち、設備、スキルなどがそろえばいいものが作れます。

枠についてはそうはいきませんで、スチール製のリプロの製造に成功した人はアメリカにも居ません。かの地のS30コミュニティでは何人もの作り手から何度も踊らされてきたので「またライトカバートリム作るよ詐欺かよ」くらいにしか受け止められていません。作り手側もだますつもりは当初はなく、実際手がけてみると激ムズなことに気づいてSNSアカウント放置して逃げたんだと思う。

画像の枠は当時もの中古で、これをもとにうちの工作機械を駆使して試作しました。詳しくは左メニューのFacebookとかNOTEを読んでください。

 

タイトルについては、気持ちを強く持っていたら必ずよい成果が生まれる、なんて保証はないってことで。そういうテーマのドラマが乱造されていますがみてられないです(みていません)。

革漉き機 TK802BK TAKINGお値打ち(2020年現在)品薄です

新しい革漉き機を買ってテストしました。

動画はPCでは←左メニューDejima AUTO Tuningfacebookにあります。動画の主役は漉きカスですので機械左から撮影しておりどこに溜まって引っかかるのかよくわかりますよ。

 

いまごろステイホームで時間余ってるのでどんなものか確認。コロナ禍は関係ありません。

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TK802BK

TAKINGの漉き機は旧型801の末期に主軸ボールベアリング化し、802になってからはビア樽もボールベアリング入りになり、うちのFortunaとスペック同等、うちのはビア樽が社外加工のオイルレスブッシュなとこは負けてるな、というわけで。

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主軸アンギュラボールベアリング

しっかりアンギュラボールベアリングが入っていました。内筒はFortunaより太いしいいですね。ただ、与圧調整する構造になっていません(下のフランジナット)。

内筒下のほうの溝は、左にちょっと写っている外筒をウォームギアで回した時に前後(画像では上下方向)にスライドするガイド溝です。これとFortuna以外の漉き機ではピッチが5ミリとかの台形ネジですので、スパイラル溝タイプの10倍多くまわす必要があります。しかしここもFortunaを真似するとはおもってませんでした。

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内筒スパイラル溝

ビア樽のベアリング+シャフトは精密に加工されていてガタはベアリング自体のそれだけ。かなり良いです、というより最高です。リンク棒がベアリング入れたせいで片端が太い専用になります。

 

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ベアリング入りビア樽

一方でなんやこれ?だったのがビア樽にからむ漉きクズを剥がす板。右のFortuna形状は自作ですが、ビア樽に沿うよう斜めにバネで押し付けてますが、左の802のは平たくビア樽に乗っかってるだけです。

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漉きクズすくい板

短くし、ビア樽形状に沿うようトリミングちゅう。画像と違い、革板は黒い金具のこちら側に付けたほうが角度がよいです。

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延々漉きテストしつつ、漉きクズの流れを撮りました。そこそこいいです。出荷状態ではダメダメでももっと詰めればFortunaより良くなる可能性あり。↓ずいぶん後に使っているとき食いこんで樽の頂点を超えてこちらに突っ込んでしまいその後は石砥石でもウレタンでもワイパー先端が食って使えなくなりました。こまりものですが、革ワイパーを黒板の向こう側から留めると軽減されます。

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噂通りです。TAKINGのTK802BKは安くてよい機械だと思います。写してませんが、キャスター付き台、サーボモーター等全部セットです。別配送で届いた本体を台にセットしてベルトをかけたら刃は届いたそのまま研がずに漉けました。他にやることは上の漉きカス取りの仕上げと、クズ受けバケツ、それから押さえの角丸め+ニトフロンテープ貼りくらいです。

 

【追記】丸刃を交換したら精度よく付きません。原因は主軸フランジが平面でなくごくわずか凸になっているのに対し、新品の丸刃フランジ裏面は平面が出ているので、ネジを締めると丸刃全体が薄いから歪むためと思います。TAKING製丸刃のフランジ裏面はそれに合わせるかのように凹になっていました。そんなわけで他社の丸刃を付けると振れが出やすいと思います。丸刃交換時期に差し掛かってきたら同じことを言う人が出てくるんじゃないでしょうか。訂正です。丸刃の中心穴の角が主軸フランジのボスの根本に当たるか当たらないかの差です。TAKING純正は面取りされているのに対し、ニッピ丸刃は角が立っているので付ける前にやすって落としましょう。そうしたら機械加工の仕上げにバラつきが無いとは言えない中華圏の漉き機につけても落ち付くはず。ニッピ公式としては「うちの刃を中華漉き機に付けるな」と怒ると聞きました。

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【さらに追記】こちらは些細な問題ではないです。押さえガイドロッドのがたつきがFortunaより大きいです。幅の広い押さえを調整して固定しているつもりが、手前⇔奥方向に0.2ミリ動きます。押さえは丸刃に沿って上から革を押えており、もし手前奥方向に動くと厚さが変化します。ベタ漉きに使いたい人は他の機械を買いましょう…いや、がたつき量を確認した機械はこれとFortunaだけですので「他の機械」の保証はできず、Fortunaにしましょうとしか言えない。せっかくの主軸アンギュラベアリングや送り軸ベアリング導入の努力がもったいないという結果に。


www.youtube.com

極端な漉き3→1ミリの動画です。その後1ミリ→0.8ミリのマイルドな漉きでも確認してみました。移動量は少なくなるけどよく動きます。常にダイヤルゲージを当てダイヤルゲージから目を離さず、かつ0.1ミリずつ漉けばそれなりのベタ漉きできる…押さえは30ミリ幅とかをお勧めします。でもこの機械でベタ漉きしないのが賢人。Fortunaは2台で計測、TAKINGは1台しかチェックしていませんので製造バラつきでうちに届いたTK-802だけ残念なのかもしれません。

 

外しました。TAKINGの径が5/100ミリ細いです。FortunaのをTAKINGに装着してもFortunaまんまのがたつきの少なさには到達できませんが、いちおう試してみましょうか。

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ドライサンプポンプ増設と2020年9月の現況

クルマ5年前にサーキットでクラッシュして、まだ復活していません。

自分のガレージになんとか搬入したまま一度も動いていない、つまり自分が手を動かすかどうかにかかってるので。

 

割と早く終わったのは、シャーシゆがみ除去、エンジン、足回り。エンジンはオイル無しで200メートルくらい動かした。まあサーキットのコースわきからは速やかに退避したほうがよいs、ガレージ搬入には積載車降ろしてから自走はしょうがないわけ。

ボンネット下はほとんど全部別のものに変わってしまいました。

ポンプステージが増設できたのは、今思うとRB26から25でブロックについてるオイルリターンのパイプ位置が違い、オイルポンプの邪魔にならなくなったからだった。YouTubeの中では違う説明してたけど。↓スライドショー、静止画のみです。


ドライサンプポンプステージ増設と配管1

 

ドライブプーリーとカップリングファン、オイルホースの取り回し、純正ウェットサンプオイル経路ふさぎとか。

ドライサンプはエアホースの取り回しもあるんです。インマニにクーラント回ってるのでエア抜きホースつけたり、スロットルポジションセンサつくよう加工したり。

 


ドライサンプポンプステージ増設と配管2

 

2016年12月末にエンジン始動まで、このあと外装の塗装が半分終わり、長い中断。

もっとも最近の作業は2020年3月末、左のヘッドライトカウルあたりをやりかけ。

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ライトカウル

 

所ジョージ氏発案のレザーハンドバッグ、モチーフはガソリンタンク


【世田谷ベース】オートバイに夢中な所さんがオーダーしたレザーバッグ

 

ジョークプロダクツで色合いもビビッドでおもちゃ感なのだけど、仕立ても素材も一流。

 

所さんのことは嫌いではないが、こだわる方向があさってな感じがするので、活動をフォローしていません。

もちもち革トート2号

1号肩かけタイプ。持ち手は平。次を作ります。持ち手が短く立体的なやつで。

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もちもち革トート1号

丸持ち手にしようとしたが、見ての通りσをひっくり返した形にしか縫えなくて延期した。

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丸手押さえ売ってるまま

 

針板と下送りを加工してみた。

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左が加工済

 

こういう風に収まる。

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丸持ち手押さえ改

縫う前にトリミングするか、縫ってからトリミングするか、漉き機につける縁落としアダプタの試作。


丸手押さえと革漉き機に縁落としアダプター presser foot for round handle / skiver edge trimmer adapter

 

で、縫ってみた持ち手、硬いな… 芯の硬さや太さもいろいろ考えないと。なわけでトート2号を作ることにしたのだけど、丸持ち手押さえでは縫わずに、

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L.L. Beanレザートート型の持ち手

芯無しで縫い代切り落とし無しの雑な感じは、作り手の腕の見せどころをスルーする行為なので、量産品でしか成立しないが、それが逆に良いような…

 

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内張り作って

 

ミシンは糸の太さと布の有無で使い分け。革針は切れるので布縫いには不向き。

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ロングベッドミシン

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ロングと同タイプの標準ベッドの糸切りミシンが細い糸で調整済だった

てなわけで、「革には腕ミシン」っていうけど、今回使いませんでした。腕ミシンなら丸持ち手用の針板沈め加工は楽だけど。

それとミシン数台あれば糸の太さ変えたとき調子変えずに使えます。

今回ロングベッドで下糸テンションがゆるゆるで調整したんですが、

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マイナス小ねじに斜めにしかドライバーが入らず

水平釜のボビンケース取れないやつは構造的に謎な面倒くささ。調整したあとは上下テンションについて縫ったあと糸を切らずにほどいて長さをかくにん

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ほどいた糸の長さが同じ

 

 下糸調子いじるのはボビンケース一体水平釜ではドライバーの先がネジの溝にまっすぐ入らずとても面倒です。「糸太さ変更しても下糸調子は変えずに上糸調子だけでイケる」ってのは「オラの経験値ならミシンなんてかんたん」アピールのデマかと。「下糸の太さは替えず上糸だけ替えるから下糸調子はいじらない」ってのも同類、というかそれで上も下も表になるシチュエーションを無視して片面は細い糸かよ!って思う。

 

あ、自分用ではないです。ジェンダー的決めつけは良くない、という声が大きくなってきているこのごろですが。このファンシーカラーもちもち革とはベクトルが違うコテコテ装飾要素てんこもりのウォレットなども自分で持つことも作ることもないです。あれはゴスロリのレースやフリルのオトコ版的位置づけと思いますが間違ってますかね。

旧はてなトップページはこう使っていた/ポインタホバーは偉大

はてなトップページはそこから移動せずに、ざっくり世相を拾える良さがあったのにとても残念です。

 

急に変わったはてなトップページ。ブラウザタブで開いたままのがまだ生きていたので、わたしがどう使っていたかを説明します。

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はてなトップページ

主にはてなブックマークバナー下の「人気 世の中 ……」をタブブラウザのように使い、はてな運営が選択したエントリを眺めていました。わたしが画面タッチタップでなくて、ポインタ付きのPCを使うのは、ポインタホバーだけで概要が浮いてきてクリックすることなくジャーナルできるからです。さらにブコメが見たければブクマ数をクリックしてブコメを読み、興味があればその言及先を見に行くという流れです。

 

接近を感知するペンを使えないタイプのタブレットスマホの指タッチだとホバーがないので、webが「タップで稼ぐ=再表示で広告とユーザーの時間を奪う」仕組みに移行しつつあると感じます。

 

はてなは営利だし、「元に戻せ」という影響力は持っていませんけど、まあトップページを同じ使い方したはてなユーザーはブックマークやブコメしなくなっていくかなと。